9月9日、10日にFIA世界耐久選手権 第6戦 富士6時間耐久レースに行ってきました。昨年に引続き9月開催となり観戦しやすい気温です。
今年はなんといってもFerrariやPorsche、CADILLACがハイパーカークラスに参戦したため2012年に復活したWECではトップカテゴリーの参戦台数が最大の12台となりました。観戦者数も3日間を通して過去最大の5万4700人でした。
スタート前進行ではSUPER GTではお馴染の室屋義秀選手によるエアショーが行われました。WEC Fujiで行なわれるのは初めてです。SUPER GTの時のようにホームストレート上を飛ぶことは制限されていたようで、エアショーを見るならグランドスタンドの1階から見るのがよかったようです。2階からだとグランドスタンドの屋根に遮られて見えない場合がありました。
一方でル・マンでお馴染の「スタートフラッグハンドオーバー」は今年は行なわれませんでした。陸上自衛隊ヘリから隊員が地上に降下しスタートフラッグマーシャルに国旗を手渡す演出は好きだったので残念です。
今回は初めてサーキットサファリに参加しました。これまではあまり興味を持っていなかったので抽選に応募したこともありませんでした。今回は各社のハイパーカーが間近で見られるということで初めて応募してみました。運良く当選してチケットをゲットすることが出来ました。
サーキットサファリは想像していたよりも近くをマシンが駆け抜けていくので迫力のある写真を撮ることが出来たので大変満足。人気の高さにも頷けます。参加してみて初めて分かったのはバスの右側をマシンが通過するので、左側の席の人はほとんど見られないということです。バスはコースを2周するので、1周したところで右側の席の人と交代するのでどちらの座席の人にも見られる機会を設けています。なのでマシンを見ることが出来るのは実質1周だけなのですが、バスはゆっくり走っているのでその間にマシンは次々通過するのでシャッターチャンスは十分ありました。
ハイパーカーの中ではやはりFerrariがカッコよかったです。やはりリアウィングの翼端板の形状が美しい。サイドミラーに取り付けられたフィンがあるのもF1を彷彿とさせます。
土曜日に行なわれた予選、ポールポジションは小林可夢偉選手がアタックするTOYOTA 7号車が獲得。ハイパーカーとしては初めて1分27秒台に入れコースレコードを記録しました。総合2番手には0.624秒差でブレンドン・ハートレー選手がアタックした8号車がつけました。
LMGTE-AMクラス来年からGT3に車両が変更となるためLMGTE車両は今シーズンで見納めです。Porsche 911 RSR-19を駆る56号車のティラノサウルス・レックスをモチーフにした『レキシー』カラーリングは人気が高かったです。
LMGTEクラスでの注目は今回のWEC Fujiに急遽57号車から参戦となった宮田莉朋選手。レギュラードライバーのダニエル・セラ選手が来日出来なくなり白羽の矢が立ち突然のWECデビューとなりました。
日曜日に行なわれた決勝レースはオープニングラップのターン1の混乱を抜け出した6号車Porscheがリードする展開。フロントロースタートだったTOYOTA勢はなかなか抜けずもどかしい状態が続きます。それでもジリジリと追い詰めてついに8号車がダンロップコーナーで6号車をオーバーテイクしてトップに立った時にはスタンドから拍手が。この6号車とTOYOTA勢の争いは1時間近く続きました。毎ラップちょっとずつギャップを詰めていきズバっと抜く展開は耐久レースの醍醐味です。
レースは165周の時点で7号車と8号車がポジションを入れ替えて7号車がトップに。そのままチェッカーを受けて小林可夢偉選手兼チーム代表が駆る7号車が228ラップを走りきりポールトゥウィン。8号車も続いて1-2フィニッシュを決め、マニュファクチャラータイトルも確定させました。
WECデビュー戦となった宮田莉朋選手も2位チェッカー(※FCY時の速度違反でレース結果に10秒加算のペナルティが課され3位に降格)を受けてデビュー戦での表彰台獲得となりました。
ハイパーカークラスの活況、LMTGEマシンのラストシーズンと盛り沢山の2023シーズンのWEC。富士ラウンドで実際にマシンを間近で見ることが出来たのは本当に良かったです。今年はパドックも解放されて世界選手権の雰囲気を満喫出来ました。
来年はさらにハイパーカーの参戦メーカーが増えてスポーツカーレース全盛期とも言えるシーズンとなりそうで今から楽しみです。